デジタルへChange

これまで築き上げてきた地域の店舗網や営業担当者といったチャネルを最大限に活かした「リアルとデジタルのベストミックス」を目標とし、デジタル戦略を推進しています。
今回は「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」の取組みと事例について、デジタル・リテール営業部、イノベーション推進部の皆さんに聞きました。
イノベーション推進部とは?
当行の中期経営計画「未来共創プラン ステージⅡ」に掲げている5つの柱のひとつ『デジタル戦略の強化』を全社戦略として部門横断的かつ持続的に実施するため、2020年7月、総合企画部内にデジタルイノベーション推進センターを設置しました。(2024年7月ちゅうぎんフィナンシャルグループイノベーション推進部へ組織再編)
当部には新卒採用、キャリア採用に関わらず、営業店・本部を経験している従業員が在籍しているため、銀行業務目線・システム目線のどちらもを意識した業務変革を行うことができる体制となっています。また、最新の技術動向等の調査・研究や、異業種との連携を担う「オープンAPI基盤」を提供するT&Iイノベーションセンター株式会社へTSUBASAアライアンス※行と共同出資し、出向者が在籍しています。
デジタルの領域は非常に進歩が早いため、銀行内の研修だけでなく、こうした組織を活用して最新技術の適用を研究し、また出向を通じてデジタル人材の育成にも努めています。
※TSUBASAアライアンス…千葉銀行、第四北越銀行、中国銀行、伊予銀行、東邦銀行、北洋銀行、武蔵野銀行、滋賀銀行、琉球銀行、群馬銀行の10行が参加する地銀広域連携の枠組み。
イノベーション推進部のミッションとは?
金融業界でもお客さまの生活様式の変化にあわせた「DX」の取組みが急務です。イノベーション推進部では、これまでの金融サービスや事務の変革を各部門と連携して進めています。単に技術を適用するだけではなく、地域に貢献できる「変革」をもたらすこと、それがわれわれイノベーション推進部の最大のミッションです。
DXへの取組み・サービスについて
お客さま向けサービスの利便性向上や行内業務の削減・高度化等にデジタル技術を活用し、ビジネスそのものを「変革」する「銀行のDX」。急速なデジタル化の進展に合わせて、パソコンやスマートフォン等で完結するサービスの拡充からライフプラン相談、事業課題の解決まで、デジタルを活用したコンサルティング業務の高度化にも取組んでいます。
ちゅうぎんアプリ


2021年7月よりスマートフォン向け銀行アプリを提供しています。口座照会や振込等の基本的な銀行取引は来店することなく簡単にスマートフォンで行うことができ、引落予定明細の通知等便利なお知らせ機能も充実しています。
銀行窓口に来店されるお客さまが減少している一方で、便利なデジタルツールに関心を持ち利用されるお客さまは非常に多いため、ちゅうぎんアプリが今後お客さまとの接点拡大につながることを期待しています。お客さまの手のひらの中に存在する便利な銀行として、ご要望を取り入れながら、お客さまの生活に寄り添ったサービス提供を行っていきます。
WEB銀行手続きサービス
窓口での待ち時間解消のため、ご来店の事前予約ができるWEB予約サービスを導入しました。またこれに続いて、今まで銀行の窓口でしか行えなかった各種手続きについて、WEB申込サービスを続々導入する予定です。
WEBサービスの導入にあたっては、まず従来の対面での業務をWEBで利用しやすいように見直していきます。その後、銀行内の開発チームと連携して、ローコード開発によって可能な限り作業を減らし、短期間でサービスリリースを行っていきます。企画からプログラム構築までのすべてを銀行内で完結し、サービス開始後の修正も迅速に対応することにより、お客さまの利便性向上に努めています。
データ利活用
「デジタル化」は単に紙がなくなることだけでなく、データ化された情報をどれだけ有効に活用できるか、それが「DX」の取組みの本質だと考えています。銀行取引では日々膨大なデータが蓄積され、そのデータを分析・解析することで、非常に有用な情報を得ることが期待できます。データは「21世紀の石油」とも言われるように、ちゅうぎんグループでもお客さまへ提供するサービス向上のため、データ利活用に積極的に取り組んでいます。例えば、お客さまの取引情報やライフスタイルにあわせたマーケティング活動のほか、岡山大学とAIを用いた共同研究を行っています。
最近ではデータサイエンティストという職業に代表されるAIやディープラーニング、機械学習、統計等が注目されていますが、それらを活用して分析精度向上やデータ利活用により新たな価値を生み出すためには、データの量だけではなくデータの質も重要になってきます。まさにこれからのサービスに求められるイノベーションの源泉を見つけるため、日々新たな技術を習得するよう努めています。
DX推進の効果について
デジタル・リテール営業部、イノベーション推進部の
皆さんに聞きました。

デジタル・リテール営業部
2019年入行(中途採用)
データの利活用で新しいビジネスを創出する
私は2019年に異業種から転職して入行しました。現在は、前職でのデータベースマーケティングや販促プロモーション等の経験を活かし、お客さまとの接点強化のためのデータ活用、有益情報の提供、非対面で完結するサービスのプロモーションやシステムの企画に取組んでいます。また、岡山県という市場の中でトップレベルの量を誇る当行のデータを一元管理し、経営資源として全社横断的に活用できるような仕組みづくりも進めています。もしこれが実現すれば、業務の効率化が進むだけでなく、部署間の連携もさらにスムーズになることが期待できます。これまでちゅうぎんグループになかった新しいサービスやビジネスの創出にもチャレンジし、地域の継続的な発展に貢献できればと考えています。

イノベーション推進部 主任
2015年入行
日常業務のDX化は現場の課題とニーズの把握から
4年間の営業店勤務を経て、2021年に当部に配属された私が感じた「DXを推進する上で大切にしていること」は、デジタル化されたサービスや情報を日々の業務にどう落とし込むかということです。そのためには現場にどのような課題やニーズがあるのかを知ることがとても重要なので、関係部署でヒアリングを行ったり、ときには業務を自ら体験して情報を収集したりしています。集めた情報はチームに共有して企画会議で議論するのですが、チームは社内SEや異業種出身の方等さまざまな経歴を持つ従業員で構成されているので、銀行業務しか知らなかった私にとっていつも新鮮です。活発な議論はときに想像を超えるイノベーションにつながることもあり、そこにDXの可能性と面白さも感じています。


イノベーション推進部
2016年入行
T&Iイノベーションセンター株式会社 出向
新しい「当たり前」が未来を明るくする
私はT&Iイノベーションセンター株式会社フィンテック事業部で、フィンテック(FinTech)に関する調査・研究をしながら、新たな金融サービスの企画・開発を行っています。日々の業務を通して感じるのは、銀行業務における今までの「当たり前」が、DXを推進することで大きな変革を遂げるのではないかということです。ここ数年を振り返っても、銀行の窓口業務をはじめ、従業員の働き方や銀行のあり方が大きく変化したことを感じます。これからも、今までの常識や固定観念にとらわれることなく、「誰にとって」「どう便利になるのか」というお客さま視点を常に意識しながら、新しい「当たり前」を創り出していきたいと思います。
▲原さんが出向しているT&Iイノベーションセンター株式会社のオフィス風景
※ 所属・役職は、掲載日時点の情報です。